「非認知能力」という言葉を聞いたことがありますか。
忍耐力や社交性、自尊心など幅広い力や姿勢を含み、学歴や仕事など将来の成功の支えとなるものとして、今、世界的に注目されています。
特に、幼児期から育成することが重要とも言われています。
育ちに見合った認知能力は大事なのですが、私たち中山バイパス保育園はそれ以上に非認知能力が重要であると考え、「非認知能力」を幼児期に伸ばす保育を心がけております。
幼児期にどれくらい知的教育に力を入れるべきか、私たちはもっと深く考える必要があるかもしれません。
というのも、近年の研究では、幼児期の知的教育による効果は一時的に過ぎず、長続きしないことが明らかになりつつあるからです。
最初は他の子どもを大きくリードしますが、小学校に入学して学年が上がるにつれて差が見られなくなることがわかっています。
それでは、幼児期の教育にはあまり意味がなく、ただ遊んでいればよいかというと、答えはノーです。
幼児期は、小学校以降の学力の土台となる「非認知能力」と呼ばれる力や姿勢を十分に育てるべきだ、そんな研究成果が世界的に注目されています。
幼児期に非認知能力を伸ばすことで、学歴や仕事など将来の成功に結び付きやすいということがわかってきたのです。
これまで何かに意欲的に取り組むことや、根気強くやり抜くことの大切さを感じたことがあると思います。端的に言うと、前向きに生きる心の装置です。
非認知能力のベースは3歳ごろまでに作られ、幼いときに身につけるほど、良い影響が長く続きます。幼児教育や保育でも、この能力を高める方向で方針が改定されたところです。
※平成29年告示、平成30年4月施行の『幼稚園教育要領』『保育所保育指針』『幼保連携型認定こども園教育・保育要領』。
非認知能力を「学びに向かう力・人間性等」として資質・能力の3つの柱として位置付けた。
認知能力は基礎的知識、記憶力、判断力など知的な能力を指し、IQ(知能指数)として数字で表すことも可能。
対して、非認知能力とは、感情や心の働きに関連する能力。
「忍耐力・社会性・感情のコントロール力」の3つを中心として、下の図のようにさまざまな要素がある。
幼児期に非認知能力を高める教育を受けると、成人後もその効果が続き、社会的な成功や健全な生活につながるという研究(ノーベル経済学賞受賞のジェームズ・ヘックマン)が有名。
これからの社会に必要とされる非認知能力は、「目標に向かってがんばる力」や「課題を見つける力」「失敗してもまたやろうと思える力」などのことをいいます。
こうした力を育むためには、計算や知識といった紙の上の学習だけでなく、実際の体験を通して、自分なりに考えるという行動を繰り返すことが大切ですが、
「自分なりに考える」ことの原動力となるのが、「自分でやったらできた」という体験です。
中山バイパス保育園では、乳幼児期の「自分でできた」体験を大切にしています。
わからない問題に直面したとき、すぐに答えを聞いたり、あきらめたりしてしまうのではなく、自分で試行錯誤しながら答えにたどり着ける工夫をサポートする保育を心がけております。